
近年、副業やフリーランスなど、個人の新しい働き方が広がっています。なかでも特定分野で専門知識や高度スキルを有するフリーランスコンサル市場は拡大傾向にあり、ポストコンサルキャリアとしても注目されています。
本記事では、フリーランスコンサルに興味を持った方、これから独立しようと考えている方にとって最初に知っておきたいことをまとめました。フリーランスコンサルの働き方、メリット・デメリット、実際になるために必要なことを「私の実体験」も交えて紹介しますので是非参考にしてみてください。
この記事は以下のような人にオススメ
コンサルファーム在籍者/OBでポストコンサルについて考えている人、フリーランスコンサルに興味がある人
将来的にフリーランスとして様々な企業の経営に関わっていくことに興味がある人
この記事で学べる事
フリーランスコンサルの仕事、報酬の概観が分かる
フリーランスコンサルになるメリットとデメリットが分かる
フリーランスコンサルになるために必要なこと、最初のステップが分かる
目次
フリーランスコンサルとは:「特定組織に属さないプロ人材」
フリーランスコンサルの働き方とは:「プロジェクト・モジュール単位で、定められた成果物を創出」
フリーランスコンサルの仕事内容とは:「戦略策定から業務改善まで活躍する領域は多岐にわたる」
フリーランスコンサル市場の将来動向:「今後も急速に拡大」
フリーランスコンサルの単価・年収の相場:「単価:110~200万円/月」「年収:1,300万円以上」
フリーランスコンサルとして独立するデメリットとは:「収入の不安定さ」
フリーランスコンサルとして独立するメリットとは:「働き方の自由度の高さ」
フリーランスコンサルにになるために必要なスキル・要素はなにか
フリーランスコンサルはどのように案件を探索・獲得するのか
フリーランスコンサルになるための最初のステップ
まとめ:フリーランスコンサルという選択肢を積極的に検討しよう
1. フリーランスコンサルとは:「特定組織に属さないプロ人材」
近年、フリーランスコンサルタントとして活躍する人が増えていますが、彼らが提供するサービスは一体どのようなものでしょうか?
一般的に、フリーランスコンサルタントは、特定の組織に所属せず、個人事業主や法人の形態でコンサルティングを提供する専門家のことを指します。
コンサルティングには、顧客やテーマによってさまざまな種類がありますが、特にフリーランスコンサルタントが強みを持つのは、かつてコンサルティングファームが提供していた戦略策定や新規事業策定などのサービスです。最近では、このようなサービスを、個人の専門性や経験を活かしたフリーランスコンサルタントが提供するケースが増えています。
2. フリーランスコンサルの働き方とは:「プロジェクト・モジュール単位で、定められた成果物を創出」
今回は、フリーランスコンサルタントの働き方について解説します。主に、仕事の受注先やタスクスコープについて触れていきます。(なお、働く時間については「7. フリーランスコンサルとして独立するメリットとは」で解説しています)
フリーランスコンサルタントが仕事を受注する先は、大きく2つあります。ひとつは、コンサルティングファーム、もうひとつは事業会社です。具体的な仕事の内容としては、プロジェクト単位で単一または複数のモジュールのタスクを依頼され、遂行することがほとんどです。このプロジェクトやモジュールは、通常明確なスコープと成果物が定められます。(ただし、明確なスコープが存在しない場合もにあります。)
まず、コンサルティングファームがフリーランスコンサルタントを活用するケースですが、変化の激しい事業環境において、事業会社からコンサルティングファームに対する「課題解決のニーズ」は拡大しています。しかし、既存のコンサルティングファームでは、自社人材で全てをカバーすることが難しくなってきています。そのため、既存のコンサルティングファーム自体が、スキルフルなフリーランスコンサルタントを「機動的に活用」する需要が高まっています。
次に、事業会社がフリーランスコンサルタントを活用するケースです。これまで、事業会社が既存のコンサルティングファームへ依頼する場合、プロジェクトチームで3-4名がセットになっていたため、数千万円、場合によっては億円単位の費用が必要でした。一方で、プロジェクト組織が大きくなることによる進行の遅れなど、デメリットもありました。
そのため、今では、フリーランスコンサルタントを経営企画や事業開発メンバーとして、特定のテーマや機能(企画設計業務、リサーチ・分析等)において、「定められた内容」と「定められた期間(費用)」で、フリーランスコンサルタントを機動的に活用することが一般的になってきています。また、事業会社側のマネジメント層に、ポストコンサル人材が増えていることも、フリーランスコンサルタントの活用を後押ししている要因のひとつです。また、変化の激しいビジネス環境において、自社の人材だけではカバーしきれない課題解決のために、フリーランスコンサルタントの需要が高まっています。
3. フリーランスコンサルの仕事内容とは:「戦略策定から業務改善まで活躍する領域は多岐にわたる」
フリーランスコンサルタントがどのような領域で活躍しているかについて、プロ人材向けのシェアリングサービスで上場している「みらいワークス」と「サーキュレーション」のIR資料を参考にしてみましょう。
これらの資料を見ると、戦略から業務改善、DXなど、企業の主要な機能において、フリーランスを活用する流れが高まっていることがわかります。また、特定の専門領域での経験があれば、比較的マッチングサービスを通じて仕事を獲得しやすい環境にあると言えます。
IR資料には、フリーランスの出身者の背景や紹介されている案件領域などが公表されており、参考になる情報が盛りだくさんです。これらを見ることで、フリーランスコンサルタントがどのような分野で活躍しているかを把握することができます。
みらいワークス:登録フリーランスコンサルの出身企業例・対応可能領域

(引用元:株式会社みらいワークス2021年9月期決算説明・事業計画及び成長可能性に関する事項)
サーキュレーション:登録フリーランスコンサルの対応可能領域

(引用元:株式会社サーキュレーション2021年7月期 通期 決算説明資料)
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4. フリーランスコンサル市場の将来動向:「今後も急速に拡大」
フリーランスコンサルの市場規模はこれからどうなっていくのでしょうか。国内の統計情報としては、ランサーズが開示している「新・フリーランス実態調査 2021-2022年版」があります。 2021年10月時点でのフリーランスの人数は1,577万人となっており、2015年と比較して640万人も増加しています。米国と比率で比較すると、米国36%に対して日本23%となっており、日本においてはさらなる拡大の余地が存在すると言えます。
現在のフリーランス人口・経済規模

米国との比較:フリーランス人口・経済規模

(引用元:ランサーズ「新・フリーランス実態調査 2021-2022年版」)
さらに、日本企業における日本型メンバーシップ型人事制度からジョブ型人事制度への移行のトレンドも、フリーランス市場拡大を後押しする要因のひとつです。ジョブ型人事制度とは、「明確なジョブディスクリプションを定義し、人材を雇用する制度」のことです。調査結果によると、今後はジョブ型雇用が主流になる見込みがあります。
大企業の約70%がジョブ型制度導入へ舵を切りつつあるという結果もあり、現時点でジョブ型制度を導入している企業は26%ですが、導入決定済み/導入検討中の企業を含めると56%の企業がジョブ型制度の導入に肯定的な回答をしています。特に1000人以上の大企業では72%が肯定的な回答をしており、大企業を中心にジョブ型制度への転換が進んでいることがわかります。
ジョブ型人事制度の推進がある中で、社内から適任者を探すとスキルのない人材を教育する必要性が生じるため、各分野のスペシャリストを外部から調達することが増えていくと見込まれています。これは各分野のフリーランスコンサルタント市場の拡大にとって追い風となっており、フリーランス市場がますます拡大する可能性があります。
職務型人事制度(ジョブ型雇用)の導入・検討状況

(引用元:Korn Ferry「職務型人事制度の実態調査」調査期間2020年4月1日~5月29日)
5. フリーランスコンサルの単価・年収の相場:「単価:110~200万円/月」「年収:1,300万円以上」
フリーランスコンサルの報酬水準はどの程度なのでしょうか。プロ人材向けの一つの目安として、最低月額単価は110万円、年収換算で1,300万円以上が目安となるでしょう。 また、コンサルティングファーム出身者であれば、マッチングプラットフォームで紹介される水準の単価としても以下のようなレンジの報酬が見込めます。
コンサルタント:110-150万円
シニアコンサルタント:140-180万円
マネージャー:160-200万円
※PJテーマ内容や商流によりケースバイケースではあるものの凡その相場観
※記載の単価・年収は、100%稼働時の場合
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6. フリーランスコンサルとして独立するデメリットとは:「収入の不安定さ」
メリットをお伝えする前に、現状のフリーランスコンサルが感じている悩み・フリーランスコンサルになるデメリットをお伝えしようと思います。
6.1. 立場の弱さ・収入の不安定さ
フリーランスのデメリットとして「収入の不安定さ」が挙げられることがよくあります。例えば、「案件が突然終わってしまう」「次の案件がなかなか決まらない」「決まっていた案件が開始するまでに待機していたら、突然白紙になってしまった」といったことがよくあります。
しかし、ノウハウや実績があるマッチングエージェントに支援してもらえれば、こうした事態を未然に防いだり、リスクを分散することができます。また、フリーランスコンサルは高単価の報酬を得られるため、将来に備えやすい環境となります。もしもの場合に備えて収入の一部を蓄えておくこともできますし、稼働していない期間を自由に過ごせる時間として前向きに捉えることもできます。
6.2. キャリアアップ、世間の評価への不安
「フリーランスコンサルになるとキャリアアップできるのか不安」と思う方もいるでしょう。「大手コンサルファームでプロモーションを目指すべきではないか」と考える人もいるでしょう。確かに、コンサルファームでは大規模なプロジェクトに参加し、能力・スキルを身に付けることができます。しかし、フリーランスコンサルは自由な時間を手に入れた状態であり、様々なチャレンジができる幅が広がります。また、個人として責任を持って仕事をすることは、会社員時代には得られない対人スキルやビジネススキルを身に付けることができます。
もしフリーランスコンサルになるかどうか迷っている場合は、一度だけでも試してみることをおすすめします。もし違うと感じたら、元の環境に戻ることもできます。
6.3. 営業から経理、確定申告まで全てを見る必要がある
独立を考えている方からは、税金や確定申告についての質問がよく寄せられます。独立すると、税理士などの外部専門家に依頼する必要があり、また自分で事務的なことも行う必要があります。しかし、最近ではクラウド会計システム(例えばfreeeやMoneyforwardなど)を導入することで、ほぼ自動で記帳や申告書作成まで行えるようになっています。そのため、大きな負荷になることは少なくなっています。
自分で確定申告を行うことで、どれだけ税金や社会保険料を支払っているかに意識を向けることができるため、金融リテラシーが高まる効果も期待できます。独立することに対して不安がある方は、税金や確定申告について詳しく学んでみることをお勧めします。
7. フリーランスコンサルとして独立するメリットとは:「働き方の自由度の高さ」
上記デメリットがありながら、それでもフリーランスコンサルになるメリットは何でしょうか。ランサーズ「新・フリーランス実態調査 2021-2022年版」、内閣官房日本経済再生総合事務局「フリーランス実態調査結果」でも、フリーランスとして働く主な理由は「収入の拡大」もありますが、特に、「自己裁量性」や「働き方の自由度の高さ」だとという調査結果が出ています。
ここでは、自己裁量について「時間」「場所」「金」「人間関係」に分けて、そのメリットを紹介します。
フリーランスになったきっかけ