フリーランスコンサルは、マッチングサービスを通じ営業する際に「職務経歴書」が必要となります。そこで、今回は「選ばれるフリーランスコンサルの職務経歴書の書き方・ポイント」を解説します。
私は、フリーランスコンサルとして職務経歴書を初めて提出するとき 「転職時に使ったものをとりあえず少しアップデートすれば良いかな。」 程度の意識しかありませんでした。 ただ、実際に自分が営業活動する過程や他のフリーランスコンサルの方の営業を代行する中で、これまでの実績や経験ではなく職務経歴書の書き方で大きな差が付いていることに気がつきました。
フリーランスコンサルが職務経歴書を営業活動の強い武器にするためのポイントを今回は紹介していきます。
これからフリーランスコンサルになる方や、既に活動している方で職務経歴書の書き方を考えている方はぜひ参考にしてみてください。 当記事で紹介している「職務経歴書サンプル」をプレゼント中!SENJIN Platform | お役立ち資料ダウンロード (無料)より、ダウンロードしご利用ください。
この記事は以下のような人にオススメ
フリーランスコンサルでマッチングサービスを活用している人、これから活用しようとしている人
コンサルファーム在籍者またはOBで、フリーランスコンサルに興味がある人、独立に向けて準備をしている人
その他、将来的にフリーランスとして様々な企業の経営に関わっていくことに興味がある人
この記事で学べること
フリーランスコンサルとして、マッチングサービスを利用し案件を獲得するために職務経歴書をドラフトする際のポイントが分かる
フリーランスコンサルとして活躍していくうえでの軸や価値を高めていくためのポイントが分かる
目次
クライアントは職務経歴書のどこを見ているのか
フリーランスコンサルタントの職務経歴書のひな型・構成要素
強みとする領域をどのように決めるか
職務経歴書を書く際に気を付けるポイント
まとめ:職務経歴書という武器を定期的に磨いていこう
1. クライアントは職務経歴書のどこを見ているのか
最も重要なのは職務経歴書を見る側、つまりフリーランスコンサルを採用するクライアントの視点に立って考えることです。 クライアントは職務経歴書のどこを見ているのかを考えていきましょう。
1.1. クライアントはプロジェクトの遂行能力を見ている
まずクライアントは、依頼したいプロジェクトに対してあながた十分な課題解決、あるいは実行推進するための能力・実績を持っているかを知りたいと思っています。これは、 転職の際に採用企業が応募者の職務経歴書に対してもつ期待と異なる点があることに注意が必要です。
「転職時」の職務経歴書は特定のポジション、ジョブを任せられるかを判断するための書類の一つという位置づけです。一方で、「フリーランスコンサル」の職務経歴書はこの書類で面談するかどうか、あなたの第一印象を決める唯一の書類です。 したがって、フリーランスコンサルの職務経歴書では簡潔にあなたの価値を訴求する点を心がけて作成することが必要となります。
1.2. 見る側も忙しい!サマリーと実績の裏付けを見たい
クライアント側がフリーランスコンサルを選ぶとき、複数の候補者の職務経歴書をチェックします。クライアント側の意思決定者は現場のマネージャーや幹部クラスなど通常の日常業務でも多忙に過ごしている方が多いため、予め職務経歴書において適切な情報を適切な形で提供する必要があります。
具体的には、相手が興味を持ち、採用したいと思うような職務経歴書を作成することが重要です。冒頭ページにはサマリーを記載し、その後のページには詳細な経歴や実績を簡潔にまとめて記載していくと良いでしょう。このようにすることで、相手が一目で判断しやすくなります。
1.3. 基本的な成果物作成スキルを見ている
クライアントがあなたの職務経歴書を見る際、重要なポイントの一つは、「この書類だけで、ある程度フリーランスコンサルタントとしての成果物を作成するスキルが判断できる」ということです。職務経歴書を見ることで、情報の構造化や整理力、論理展開力なども評価されています。
また、誤字脱字やフォーマットの体裁なども重要であり、成果物のクオリティを判断する際の要素の一つです。そのため、職務経歴書を作成する際は、最高の成果物を作成する意識で取り組むことが大切です。
2. フリーランスコンサルタントの職務経歴書のひな型・構成要素
では具体的に職務経歴書にはどのような内容を記載すれば良いのでしょうか。 百聞は一見にしかずフリーランスコンサルタント向けの職務経歴書の雛形記載例を用いながら解説して行きます。記載例及び記載用のテンプレをSENJIN Platform | お役立ち資料ダウンロード (無料)より、ダウンロードできますので、こちらを参照しながらご利用ください。
2.1. 最初に:まずは「サマリー」でシンプルに。以降に実績詳細をまとめる
繰り返しになりますが、読み手はあなたに会ったことがなく、どのような能力を持っているかをできるだけ早く判断したいと思っています。何ページもの職務経歴書をじっくり読んでもらえることは期待できません。そのため、最初の1ページの要約サマリーであなたの強みや経験の概要を把握し、その後のページで裏付けとなる職務経験や実績をまとめることが重要です。
この構成を意識することで、読み手は短時間であなたの必要性を的確に判断できます。このため、プロジェクトにアサインされるまでの時間短縮や成約率向上が期待できます。
以下それぞれの項目について解説していきます。
2.2. サマリー①:基本情報
通常履歴書に記載する基本的な項目を冒頭にに記載します。
氏名 ※読み仮名も忘れずに記載
生年月日
出身大学 ※学歴自体を問われることはないので省略も可能。アピール材料になる場合に記載。
資格 ※希望する案件テーマ領域に関連してアピール材料になると判断した内容を記載。
2.3. サマリー②:職務要約
「これまでにどのような組織に所属して、どのような経験を積んできたのか」そして、「現在は何をやっているか」を端的に記載していきます。 応募する案件領域のスキル・専門性があることを示す内容にすることが肝要です。
2.4. サマリー③:活かせる強み
あなたならではの「強み」を、簡潔に1〜2行で表現しましょう。その上で、その「強み」を裏付ける具体的なプロジェクト実績などを、簡潔に記載することが大切です。具体的には、応募するプロジェクトにおいて、どのようなシーンであなたの強みが活かされるかを具体的にイメージし、それを記載することで、書類通過の確率が大幅に向上します。
2.5. サマリー④:得意なテーマ・領域
上記の「強み」に加えて、自分が得意とするプロジェクトのテーマや領域を複数記載することも大切です。この「得意なテーマ・領域」と先ほどの「強み」が、応募するプロジェクトの内容や求められる人材要件と合致していれば、書類選考を突破することができると思います。
2.6. サマリー⑤:主なプロジェクト実績
ここでは、先ほど記載した得意なテーマ・領域に基づき、これまで参画してきたプロジェクト実績を簡潔に記載していきます。この記載は、依頼するプロジェクトで求められるスキルセットや実績を判断するために重要なポイントとなります。個別の案件名や定量的な業績結果がアピールできる場合は良いですが、機密情報の関係上、通常はそこまで詳細を求められることはありません。
また、実績詳細は後段でまとめるため、ここでは簡潔に記載することが重要です。
2.7. サマリー⑥:職務経歴
ここでは、正確に何年から何年までどこの企業で、どのようなランクで在籍していたかを記載していきます。
200X年X月~現在 :フリーランスコンサルタント
200X年X月~200X年X月 :XXX & Company(戦略ユニット) マネージャー
200X年X月~200X年X月 :XXX & Company(戦略ユニット) シニアコンサル
200X年X月~200X年X月 :XXX & Company(戦略ユニット) 新卒入社/コンサルタント
2.8. 実績詳細
プロジェクト実績や職務経験を、個別の案件やテーマごとに記載しましょう。参画した案件や担当した役割、遂行したタスクなどを簡潔に記載することが重要です。クライアントが特に見たいのは、依頼したい業務に関係する類似の経験を持っているかどうかです。類似の経験があれば、依頼者は任せたいと思う確度が高くなります。
ただ、よくあるダメな職務経歴書の例は、案件内容や成果は具体的に記載されているが、自らが行ったことが記載されていないケースです。これでは、応募者自体が何を行なったのか、何ができるのかがわからないため、適切に判断ができなくなります。したがって、以下の要素を簡潔に整理して、あなたがどのようなプロジェクトで、どのように貢献できるかを具体化・明確化しましょう。
どの業界のクライアントに対して?
どのようなテーマについて?
どのような役割で、どのくらいのチーム規模で?
自らがどのようなことを行なったか?
3. 強みとする領域をどのように決めるか
「職務経歴書」を記載する際に、最も重要かつ、悩ましいポイントは自分の得意領域、活動する領域をどのように定義するかです。 ここでは分野を決めていくうえでのアプローチを3つ簡単に紹介します。
3.1. 顧客への提供価値アプローチ
クライアントの視点を重視することが採用につながるポイントです。プロ人材向けのマッチングサービスにおいて、案件はエンドクライアントの事業会社への直接参画やコンサルティングファームでのメンバー参画があります。どちらの場合でも、コンサルタントとしての「あなたならでは」の価値をしっかり伝えることが重要です。専門性の高さに加え、経験を組み合わせてクライアントにアピールすることで、案件開拓につながるでしょう。
3.2. 自己分析アプローチ
自分自身を知ることが大切なことは言うまでもありません。自分が得意とすることや好きなこと、そしてやりたいことを探求し、それらに基づいて分野を選ぶことが重要です。自分が興味を持っている分野で働くことで、モチベーションが高まり、良い成果を出しやすくなるでしょう。もし興味があれば、以下の書籍も参考になると思います。顧客やビジネスの視点も含めて、自分自身の活動領域を選ぶためのエクササイズやヒントが盛り込まれています。
3.3. 市場トレンドアプローチ
未来において重要となるトレンドを把握し、積極的に関わっていくことがフリーランスコンサルの報酬や市場価値を維持し、高めるためには重要です。特に、デジタル化やコロナを契機とした事業環境の変化により、新しいテクノロジーを活用したプロジェクトやコンサルティング人材の需要はますます増加しています。
これらのトレンドにいち早く関わり、経験や実績を積むことで、他の企業やプロジェクトにおいても求められる人材になることができます。フリーランスコンサルは、特定の企業や役職に縛られず、最新のトレンドのプロジェクトに早期に携わることができるため、先行者利益を獲得しやすい環境にあると言えます。
最新のトレンドを把握することは、自分自身の強みや価値を高めるためにも重要です。書籍を通じて情報収集をすることで、自分自身がどのような分野で活躍することができるかを見つけることができます。以下は、最新のトレンドを把握する上で役立つ書籍の例です。
4. 職務経歴書を書く際に気を付けるポイント
4.1. フォントのサイズや種類のルールを決める
クライアントへの最終成果物を作成するような意識で、フォーマットを統一して作成することが大切です。具体的には、フォントのサイズを統一し、読みやすいフォントを選ぶことが重要です。文章ごとにフォントやフォントサイズが異なっていると、プロフェッショナルとしてのスキルに疑問を持たれてしまう可能性があるため、細かいことですが注意しましょう。
4.2. 誤字脱字の徹底チェック、読みやすさを意識する
文章は冗長にならないように簡潔にし、誤字脱字がないかも確認しましょう。適度に短くし、単語や文章の難易度を下げ、文字・行間を適切に調整することで文章の視認性を向上させることが大切です。箇条書きやスペース余白を利用することで読み手側の負担を軽減し、成果物としてつまらない誤字脱字が多い文章によって面接前に落とされることを避けましょう。また、職務経歴書は論文ではないため、ビュレットポイントを使い、論理構成がわかりやすいように記載することが必要です。
4.3. 機密事項には注意
プロジェクト経験の記載にあたっては、プロジェクトの内容や名称、クライアント名など、機密事項に当たる可能性がある情報は避けるようにしましょう。特に固有名詞は避けるべきです。クライアントから許可を得た上で、具体的な事例を記載する場合には、事前に書類に記載する内容を共有し、承諾を得るようにすることが大切です。
4.4. 定期的にアップデートする
職務経歴書には最新の更新日付が2-3年前のものがよく見かけられます。しかし、直近でどのような実績を経験しているのかを把握することや、更新されていないということで悪い印象を与えることを避けるため、各プロジェクトが終わったらすぐに内容を更新していくことが重要です。
5. まとめ :職務経歴書という武器を定期的に磨いていこう
今回は、フリーランスコンサルが利用する「職務経歴書」を作成するうえでのポイントを紹介しました。職務経歴書は、自分自身の強みや価値を言語化した営業活動の強力な武器になります。また、職務経歴書作成の過程で自分自身を振り返り、今後の方向性を定めていく機会にもなります。フリーランスコンサルとして理想の働き方を実現するうえでも、職務経歴書を磨き上げていきましょう。
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