フリーランスコンサルタントの中には、案件がタイムリーに成約に至らずに悩む人が多いかもしれません。同時に、今後フリーランスコンサルタントになることを検討している人たちからも、案件獲得のための営業活動が不安との声は多く聞かれます。
このような課題に取り組むために、マッチングサービスを利用したフリーランスコンサルタントの営業活動において、適切な案件の選び方についてまとめました。これらのヒントがあなたの成功に役立つかもしれませんので、参考にしてみてください。
この記事は以下のような人にオススメ
フリーランスコンサルでマッチングサービスを活用している人、これから活用しようとしている人
コンサルファーム在籍者またはOBで、フリーランスコンサルに興味がある人、独立に向けて準備をしている人
その他、将来的にフリーランスとして様々な企業の経営に関わっていくことに興味がある人
この記事で学べること
フリーランスコンサルとして、マッチングサービスを利用した案件内容を理解・選定する際のポイントが分かる
マッチングサービスを利用して案件を受注する確度を高めるための進め方のポイントが分かる
目次
フリーランスコンサルにとっての案件選びのポイント
ポイント1:紹介された案件は自分の希望条件に合うか
ポイント2:案件自体がそもそも予定通り始まるのか
ポイント3: 希望する働き方/デリバリーが出来るか
まとめ:失敗から学んで成長する
1. フリーランスコンサルにとっての案件選びのポイント
本記事では、マッチングサービス会社を通じて複数の候補案件を検討する段階からどのように案件を選んでいけば良いかを見ていきます。
1.1. 案件の紹介の流れをまず理解する
案件の紹介を受けてから案件を受注獲得し実際にデリバリーするまでは大きく以下のような流れで進んでいきます。
案件の紹介を受ける : 案件概要書が送られてくる
面談に応募する : 案件概要書をもとに応募するか否かを判断する
クライアントと面談を実施する
クライアントから内諾をもらう
契約確定、受注する
プロジェクトをデリバリーする
1.2. 見極めるべきポイントを理解する
上記の取引の流れにおいて、案件を選ぶ際に重要なポイントは以下の3つです。
1つ目は、紹介された案件が自分の希望条件に合うかどうかです(上記の流れ1-3に対応)。案件概要書や面談を通じて、案件内容や稼働条件が自分の希望に合うかを判断する必要があります。
2つ目は、案件自体が予定通り始まるかどうかです(上記の流れ3-5に対応)。フリーランスコンサルにとって、案件が決まらずに無収入の期間が続くことは避けたいことの一つです。案件自体がクライアント都合などで無くなる可能性もあるため、内諾を得ただけでは安心できず、契約確定・受注までプロセスを進めることが重要です。
3つ目は、希望する働き方やデリバリーが実現可能かどうかです(上記の流れ6に対応)。プロジェクトが始まってみたら、当初想定していた作業範囲や働き方が異なる場合があります。このような場合は、チームメンバーやクライアントとコミュニケーションをとり、調整する必要があります。しかし、予め調整が必要な案件とそうでない案件があるため、報酬や稼働条件以外の部分も考慮することが重要です。
これらのポイントを十分に抑えていないと、期待していた案件内容と異なる案件を引き受けてしまったり、契約を確定できずに無収入の期間が発生したりするリスクが生じます。もちろん、事後的に想定と異なることが分かる場合もあります。しかし、予めポイントを抑えて案件を選び、コミュニケーションすべきことを予めしておくことで、無駄なリスクやストレスを回避し、マネジメントすることができます。
次節以降それぞれのポイントを解説していきます。
2. ポイント1:紹介された案件は自分の希望条件に合うか
2.1. 案件概要書を理解する
マッチングサービスのエージェントから紹介される案件概要書を確認し、面談に応募するかどうかを判断することが案件選定の第一歩です。そのため、案件概要書の基本構造を理解し、応募するかどうかを判断するスキルを身につけましょう。
案件概要書の基本構造は以下の通りです。
・案件名:クライアントの業種やプロジェクトテーマを表す名称。
・案件概要:プロジェクトの目的や背景、依頼する業務内容の概要説明。
・役割・ロール:プロジェクトチームで求められる役割を表し、プロジェクトマネージャーやスタッフの役割に分けられます。
・稼働率:月単位での稼働比率を表します(例:50% → 週2.5日稼働×8時間/日)。
・契約期間:稼働する上での契約期間で、通常は2〜3ヶ月の契約期間が設定されます。プロジェクトの状況に応じて延長される場合もあります。
・延長有無:プロジェクトとして延長される可能性があるかどうかを表します。
・稼働場所:作業場所で、フルリモートワークか常駐か、出社する場合の頻度やオフィスの場所が記載されます。
・報酬単価:1ヶ月100%稼働した場合の報酬金額が記載されます。
・求められるスキル(必須スキル、望ましいスキル):プロジェクトに参加するにあたって最低限必要となるスキルと、あると尚望ましいスキルが記載されます。
これらの情報を確認し、自分のスキルや希望に合うかどうかを判断して応募するかどうかを決めることが重要です。
最低限必要となるスキルがあれば面談に応募する条件はクリアしていることになりますが、複数の候補者がいた場合には望ましいスキルも含めて採用可否が判断されます。望ましいスキルも保有していれば、面談時にアピールしやすく受注できる確度も高くなります。実際の案件概要書ではありませんが、イメージが付くようにサンプルの概要書を以下に記載しますので参考にしてみてください。
[事例1 :プロジェクトマネジメントロール]
案件概要記載例:●●医療領域の市場調査・サービス案検討
案件概要
大手製薬企業のビジネス開発/ソリューション展開を推進してきた事業部がクライアント
●●医療に関するビジネス領域にて市場機会の探索およびサービス化企画案の検討支援を行う
主な業務内容
対象領域の市場、顧客ニーズ調査(公開情報+ユーザーインタビュー)
対象領域の競合調査(公開情報ベース)
新サービスに向けた企画案の策定
役割ロール
PM(プロジェクトマネージャーロール)
※本件はコンサルファームが元請けであり、別途スタッフが補佐として100%稼働で入る予定
稼働率:60%
契約期間:202X/2/1-202X/4/30
延長有無:延長する可能性あり
稼働場所:フルリモート
報酬単価:150万円/月(税抜)
求められるスキル(必須スキル、望ましいスキル)
必須スキル:コンサルティングファーム出身、新規事業、サービス企画・戦略策定の経験
尚可スキル:ヘルスケア領域の知見
[事例2:スタッフロール ]
案件概要記載例:経営理念パーパス策定支援
案件概要
某アパレル企業にて経営理念、パーパスの策定を支援する
主な業務内容
基本的にクライアントとのワークショップをもとに検討を進めるため、ワークショップ・ファシリテーションのための事前の資料作成や議事録等のサポート業務の役割が必要となる
役割・ロール
ジュニアコンサル(スタッフロール)
※本件はコンサルファームが元請けであり、ディレクタークラスのもとで補佐として参画する
稼働率:60%
契約期間:202X/2/1-202X/4/30
延長有無:延長なし
稼働場所:作業は原則リモートだが、クライアントとの打合せは週1で●●のオフィスへ出社
報酬単価:130万円/月(税抜)
求められるスキル(必須スキル、望ましいスキル)
必須スキル:コンサルティングファーム出身、ワークショップの資料準備、ファシリテーションのご経験
尚可スキル:経営戦略、ブランディングに関する知識・経験
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2.2. 面談に応募するかどうかのポイント
案件概要書は文書形式でやりとりが行われます。もし不明点がある場合はエージェントに確認することができますが、大まかな希望に合致しているようであれば、面談に応募することをおすすめします。実際のクライアントが誰であり、どのようなプロジェクトかという詳細は、面談でしか聞くことができません。希望に合致しているようであれば、まずは面談に応募して、話を聞いてみることが重要です。
2.3. 面談時に確認すべきポイント
面談では案件概要書で把握できなかったプロジェクトの詳細を直接確認することができます。特に、以下の点について重要な確認を行いましょう。
【プロジェクトなようの理解】
プロジェクトの背景目的について理解を深めます。クライアントが置かれている状況や目的・ゴールを把握することで、自分の能力でプロジェクトに貢献できるかどうかを判断し、プロジェクトのスコープ範囲や進め方を調整する必要がないかを見極めます。
プロジェクトのスコープや主要なマイルストーン、スケジュールについて理解を深めます。プロジェクトの実施内容や時間軸に沿って作業できるかどうかを判断するとともに、非現実的なプロジェクト設計になっていないかを注意深くチェックします。
プロジェクトのチーム体制や役割についても確認します。クライアント側のメンバーやデリバリーする側のメンバーが誰で、どのような役割で参画するのかを理解し、自分の役割や動き方をイメージする上で重要な情報となります。
プロジェクトの進め方についても確認しましょう。クライアントとの定例会や事前のレビュー打ち合わせなど、プロジェクトの進行における会議体の設計やコミュニケーションのロジックについて具体的な働き方をイメージすることができます。
【自分自身の仕事内容理解】
面談時には、プロジェクトに参画する場合にどのような役割や業務を行うかを確認することが重要です。自分自身のスキルや希望する稼働率の範囲内で対応できるか、チーム全体で対応できるかを見極めることが必要です。
また、稼働率以外の動き方についても確認しましょう。プロジェクトの進行に関わる会議やコミュニケーションについても確認することで、具体的な働き方をイメージしやすくなります。自分がどれくらい柔軟に働けるかを見極めることも大切です。
2.4. エージェント・クライアントと条件面で合意する
面談前後で、稼働期間や稼働率、報酬単価などの主要な契約条件については、文書で確認しながら進めることが重要です。最終的に契約する段階で認識の相違があると、解決が難しくなる可能性があるため、条件について口頭で話し合った場合でも、メールやチャットなどで文書で残すようにしましょう。
3. ポイント2:案件自体がそもそも予定通り始まるのか
案件選びの重要なポイントとして、案件自体が予定通り始まるのかという点が挙げられます。マッチングサービスから紹介される案件には、提案段階のものも含まれるため、提案が通らなければプロジェクトが始まらない可能性があります。また、プロジェクト自体がなくなる可能性もあります。ここでは、案件の状況を見極めるポイントと、不確定な場合にどのように対応するかを見ていきましょう。
3.1. 案件確度の状況を見極める
まず案件自体の状況、つまりはどのような段階にあるのかをしっかりと理解しておく必要があります。通常以下のような段階に分けて考えることができます。
A.これからクライアントへ提案予定 B.クライアントへ提案済み、検討中 C.提案内容についてクライアント側で内諾 D.クライアント社内での最終決裁済 E.稼働開始予定(後は始まるのを待つだけ) F.稼働中
ここで重要なのは、案件自体が始まるかどうかは「D」のクライアントでの最終意思決定が完了していないと、正直どうなるかわからないと言うことです。紹介される案件によっては、あなたも含めてデリバリーするメンバーが決まっていないために「A」から「C」のステータスのものも存在します。もちろん状況が「D」であれば、案件が始まらないリスクを回避することができますが、同時にあなたが選択できる案件の幅自体を狭めることで逆に案件を獲得しづらくなってしまうと言うリスクもあります。
したがって、あなたが実際に稼働開始したいスケジュールから逆算し応募可能な案件を広めに見ていくとともに、「D」のクライアント決裁済みとなるまでは気を緩めずに複数の選択肢を確保できるようにしていきましょう。
3.2. 複数同時並行に検討し確度を高める
すぐに受注を確定できる案件があれば、それで決めるのが理想ですが、クライアントの最終決裁前の案件しかない場合は悩ましい問題です。
この場合、複数の案件を検討していることをエージェントに共有し、いつまでに受注が確定する案件を最優先とするかを伝えましょう。また、面談結果も適時フィードバックをもらい、受注確度や自部自身の希望と踏まえて優先度の高いものが進むようにコミュニケーションして働きかけていきましょう。そのため、受注が確定するまでは他の案件も並行して検討していくことが重要です
4. ポイント3:希望する働き方/デリバリーが出来るか
最後に実際にデリバリーが始まって希望する働き方ができるかどうかの見極めも重要です。
4.1. プロジェクトの環境要因を理解して適切にマネジメントする
フリーランスコンサルタントの仕事は、プロジェクト型の仕事であるため、プロジェクトによって進め方や働き方を自身でマネジメントしやすい環境かどうか異なります。プロ人材のフリーランスコンサルタントであれば、適時コミニケーションによってマネージしていくのが第一に求められます。
一方で、マネジメントのしやすさはいくつかの要因によって左右されるため、事前にこれらの要因を理解して案件を選択することで不要なストレスや調整業務をあらかじめ回避することも可能です。
例えば、プロジェクトに関与するステークホルダーの数が多いほど、コミュニケーションやマネジメントの調整が困難になることがあります。また、プロジェクトマネージャーとして参画する場合は、スタッフメンバーのスキルや能力、相性によっても調整が必要になります。さらに、プロジェクトスコープが曖昧だったり、主要な報告時期までの間隔がタイトだったりすると、デリバリーの難易度が上がります。
予めこのような要因があるかどうかを面談時にも確認しておくようにしましょう。
4.2. 主体的にコミュニケーション・調整する姿勢が重要
案件を受注する前にプロジェクト進行上のリスクや軌道修正すべきポイントに気付くことがあるかもしれません。その場合は、予め発注側ともコミュニケーションをとりお互い認識を合わせたうえでプロジェクトスタートをする事をオススメします。案件受注時からデリバリーにかけてこちらからの主体的にコミュニケーションする姿勢をもつことで発注側と受注側の期待が大きく乖離しないようにマネジメントしていくこと重要になります。
5. まとめ:失敗から学んで成長する
今回は、フリーランスコンサルがマッチングサービスを利用し希望に合った案件を選別、獲得するためのポイントを解説しました。マッチングサービスの流れ、案件選別のポイントを良く理解することでフリーランスコンサルとして希望にあった働き方を実現しやすくなるでしょう。
ここに記載した以外にもフリーランスを続けて行けば営業の過程で様々な問題にぶつかることもあると思います。ただ、失敗することで次はこうやっていこうと学習できるので、その前提で学習姿勢をもって前進・成長していくことが一番大事なのかもしれません。また、弊社SENJINチームでも学習した内容をもとに引き続き情報発信をしていきますのでよろしくお願いします。
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